ABOUT KRUMP
クランプ
KRUMP
エナジーと感情をコントロールする
究極のダンス!
世界最先端の
パフォーミングアーツ!
かつて、犯罪発生率も高く情勢不安定なロサンゼルスはサウスセントラルの過酷な状況の中で生きる若者達が、自らをドラッグやギャングの道から遠ざけ、犯罪に手を染めることなく、厳しい環境を生き抜くための手段として生み出された踊りである。
背景にはクリスチャン的な要素もあり、「KRUMP」の語源は、「Kingdom(神の国)」「Radically(素晴らしい / 根本)」「Uplifting(精神的高揚)」「Mighty(偉大)」「Praise(神への賞賛)」の各頭文字を取っている。
聖地、ロサンゼルスのKRUMPER(クランパー)達にとっては、KRUMPの「P」の意味でもある「Praise=神への賞賛」が重要視されており、「神への感謝と共に精神を解き放ち、高揚する」という意味も含んでいる。
KRUMPは、ストンプ(足を踏み鳴らす)・チェストポップ(胸を突き出す)・アームスイング(腕を振り下ろす)の3つの動きがベースとなり、バトルやセッションがメインとされ、仲間との高め合いを大切にする。
エナジーや感情などを表現するダンスであるため、全身を大きく使ったアグレッシブでパワフルな動きが特徴とされる。
しかし、今や、かつての攻撃的なダンスというイメージから、感情や心の叫びを込めて踊る、表現的で自由なダンスとして確立され、日々クリエイトされてきたKRUMPは、様々なジャンルのダンス要素を含んだ究極の自己表現 且つ オリジナルなスタイルへと進化を遂げている。
パワー・エナジー・創造力・発想・キャラクターなど、自分のライフスタイルや生き様を思い切りぶつけ、感じたままを魅せるのがKRUMPである。
KRUMP HISTORY
生きるための手段として
生み出された踊り
文化であり生活の一部
1992年、ギャングによる抗争や飛び交うドラッグ、貧困、暴力が耐えない情勢不安定なロサンゼルスのサウスセントラル。
元ドラッグ・ディーラーであった「TOMMY THE CLOWN(トミー ザ クラウン)」は、出所後、過酷な環境で苦しむ子供達を喜ばせようと、CLOWN(=ピエロ)の格好をして、HIPHOPをベースにしたCLOWN DANCE(クラウンダンス)を披露し、人気を博した。
彼は、このCLOWNで子供達を楽しませると、いつしか子供達もそのダンスを踊り始めるようになり、それは大人にまで広がっていったのだった。
ほとんどがギャングの道へ進み、生と死の危険な生活を余儀なくされる多くの若者達に、『踊る』という選択肢を与えたのが彼であった。
そして、TOMMY THE CLOWNの弟子であった「Tight Eyez(タイト アイズ)」を筆頭に、Mijo(ミホ)やLil C(リル シー)、Miss Prissy(ミス プリッシー)などの若いダンサー達は、「楽しませる踊り=CLOWN」から派生させて生み出した「戦うための踊り=KRUMP」を進化させていった。
『戦うための踊り』 これは、そこに住む彼らにとって、厳しい環境を生き抜くための手段としての踊りであり、現実への不満や怒り、葛藤から生まれたとも言える。
特に若い者達の間では、現実への不満や葛藤、怒りから非行に走り、犯罪などに手を染めるよりも、そういった捌け口のない感情や想いをKRUMPで発散させ、やり場のない気持ちやうまく表現できない心の叫びなどといったフラストレーションをダンスで伝え、ストレスを解消させる一つの手段として浸透していった。
仲間同士で集まっては、ひたすらSESSION(セッション)を繰り広げ、KRUMPを楽しむ。
いわば、KRUMPは自己表現の手段であり、生活そのものとなっている。
聖地では、KRUMPは彼らの遊びであり、会話でもあり、生活の一部として根付き、ダンスだけではなく、それに伴う文化を大切にしているのだ。
そして、このKRUMPをテーマにした映画『RIZE(ライズ)』が2005年に公開され、世界中のダンサーが注目した。
銃を持つ代わりにKRUMPを武器として生き抜く若者の姿と、ロサンゼルス・サウスセントラルの社会問題を描いた、この純然たるドキュメンタリーは、2006年に日本でも公開され、多くの者達が影響を受け、火がついた。
当初は、怒りなどを表現した激しい踊りで、胸や腰を前後に振ったり、相手を殴りつけるような動きが多く、ただ単純に攻撃的なダンスとされ、中には、ダンスとは認めない者や理解し難い人々もいただろう。
しかし、それからKRUMPは更に進化し続け、今では、すっかりあの映画『RIZE』のイメージとはかけ離れたものに見えるのではないだろうか。それくらい、全体的にスタイルが変化したと言える。
『RIZE』では、苦しみや悲しみ、怒りや辛さを表現するダンスと呼ばれていたKRUMPだったが、現在のKRUMPはそれだけではなく、そこには自由な自己表現と仲間同士の楽しみもある。
また、現在のKRUMPは、非常に早いペースで日々進化しており、POPやLOCK、BREAKING、アニメーションなど、様々な要素を取り入れたスタイルが多くなってきている。
音楽に対して、どう感じて、どのように表現して魅せるのか…。
また、その表現にはどういったキャラクターで、どのようなストーリーを込めているのか…。
そこもKRUMPの楽しみ方の一つである。
各ジャンルのスタイルが組み合わされ、進化を遂げたオリジナルダンスであり、自分のスタイルを確立することができるものなのだ。
パワー・エナジー・創造力・発想・キャラクターなど、自分のライフスタイルや『生き様』を思い切りぶつけ、感じたままを魅せるKRUMP。
KRUMPが生まれたルーツや文化などの背景を理解すると、より深く感じることができるかもしれない。
また、現代のKRUMPは、かつての攻撃的・暴力的に見られがちなダンスから、芸術的で奥深いパフォーミングアーツとしてクリエイトしていることを理解して頂きたい。
KRUMP用語
KRUMPがこんなにも速いスピードで日々進化しているのは、何と言っても、創始者とされるTight Eyez(タイト アイズ)やMijo(ミホ)ら、KRUMPのクリエイター達が、現在も尚、最前線で活躍しKRUMP界を牽引しているからである。
KRUMPの三大要素である「Stomp(ストンプ)」・「Chest Pop(チェストポップ)」・「Arm Swing(アームスイング)」の他に、最近では様々なKRUMPの必須要素が生まれている。
「Talk(トーク)」「Switch(スイッチ)」「Scoop(スクープ)」「Tick(ティック)」「Quick(クイック)」「Groove(グルーヴ)」「Bounce(バウンス)」などの細かな動きと表現方法や、「Combo(コンボ)」「Story(ストーリー)」「Character(キャラクター)」「Kill Off(キルオフ)」「Liveness(ライブネス)」「Raw(ロウ)」「Build Up(ビルドアップ)」などと言ったKRUMPを構築する上で必要な要素と意味がある。
KRUMPにはキャラクターとストーリーが隠されていて、細かいコンボを構築してストーリーが創造され、徐々に気持ちの高揚と感情の蓄積(ビルドアップ)がやがて天を仰ぐ程の開放(ライブネス)及び “BUCK(バック)”へと繋がるのだ。
KRUMP界で俗に言われている「BUCK(バック)」も一つのKRUMP用語だが、この言葉は直訳すれば「雄鹿」や、スラングでは「お金」「ドル」や「雄・元気な若者」「黒人の男」などの意味もあり、ネイティブアメリカンやブラックの人達を貶める呼称にも使われていたりもするが、KRUMP界で「BUCK!」と言えば「ヤバい」「スゴい」「最高」などというような意味で使用する。
しかし、本質はもっと深く、KRUMPをする中で、気持ちを極限まで高め、ある一定の意識から自分を超えた状態を“BUCK”とも言う。
なかなかこの“BUCK”の状態に自ら持っていくのは簡単なことではなく、アドレナリンによる興奮状態で、スポーツで言えば、ゾーン状態やランナーズハイのような意識と自覚の間に解離が起きているような感覚なため、そこまで高揚させて最高のパフォーマンスをすることは、KRUMPERにとって目指すべき開放状態とされる。
KRUMPには神への賞賛の意味でクリスチャン的要素が強いが、決してクリスチャンでなければKRUMPをしてはいけないという訳ではない。
KRUMPの創始者であるTight Eyezも言う。
「well you don't have to be a Christian to krump the buck word is a Christian meaning behind it but krump is praise from your heart.(BUCKするという意味の背景には、心から神を讃え賞賛するというような意味があるが、 大事なのはその心で、KRUMPをする者がクリスチャンである必要はない)」
そして、KRUMPERはそれぞれKRUMP NAME(KRUMPをする際にレペゼンする名前)を持っているのだが、そこには重要な意味やスタイルとキャラクターを示唆しており、その名に誇りを持ってレペゼンし、確立していく文化がある。
自らで命名する場合や人から名を授かる場合と名前の付け方は様々で、いずれもキャラクターやスタイルに合った名を持つのである。
KRUMPを紐解いてみると、あまりにも深く、一見理解がし難いように思う人も多いかもしれないが、単なるダンスではなく、その意味や歴史、文化に触れ、少しでも理解した上でKRUMPをするのとしないのでは、KRUMPの本質として得るものも表現の仕方も大きく異なるだろう。
ABOUT "FAM"
チームでもない、クルーでもない
「家族」
一般的にチームやクルーのように、同じ目的のために集まった対等な関係の「仲間」であるのに対し、FAM(ファム)=FAMILY はリーダー 及び "BIG"の下に集まった、縦の深いつながりがある「家族」だと言える。
つまり、Twiggz Famは「Twiggz」をBIGとして集まったFAMであって、生活の一部であるKRUMPを共有し、家族のような絆を持つ関係性を築くのである。
元々はギャングカルチャーからも影響を受けたものであり、FAMILYという特別な仲間の繋がりやピラミッド的な関わりや図式などが落とし込まれている。
FAM内ではBIGとの関係値や立ち位置、踊りのレベルなどによって各ポジションが決まる。
例えて言うなら、家族が同じ名字を持つように「佐藤家の長男」「佐藤家の次女」のごとく、「ポジション(Twin・Jr・Lil・Boyなど)+BIGネーム」からなる「KRUMP NAME」が与えられるのだ。
もちろん、時には名が奪われたり、ポジションが変わったりもする。
FAM内でポジションや名をかけてバトルをしたり、BIGの判断で除名されたりもする場合もある程、その名の意味と背負うものは大きい。
それぞれがその称号に誇りを持ち、FAM内での役割や立ち位置を背負って、家族一丸となって高め合うのがKRUMPにおける独特なスタイルとなっている。
※これは一例としての参考図です。FAMによってポジションや立ち位置は異なります。
KRUMP 世界分布図
他ジャンルのダンスに比べて、まだまだ歴史の浅いKRUMPだが、徐々に世界各国へと広まり、様々なFAMやCREWが生まれている。
以下の分布図は、世界のKRUMPシーンにおける代表的な国々の例であり、もちろんその他にも世界各国でKRUMPERが活動しているが、SK NATIONを中心に、KRUMPが全土に普及しているのが分かる。
ちなみに、「STREET KINGDOM(ストリートキングダム)」=「SK」とは、KRUMPの創始者であるTight Eyez(タイトアイズ)がリーダーを務め、KRUMP界を牽引する世界TOPのKRUMP CREWであり、今や、KRUMPの普及や発展と共にKRUMPの本質を正しく伝える役割を担いながら、世界各地に支部を構えている。
KRUMP 日本分布図
KRUMPが日本に普及し始めて約10年以上経つが、我が国でも少しずつKRUMPは広まり、全体的な人口も増加してきている。
日本は海外に比べて、KRUMPのFAMやCREW・TEAMなどが多く、KIDSのレベルや人口が特徴である。
ただ、まだまだ関東・関西などの特定な地域での普及に留まり、認知度が低い地域も多数ある。
以下の分布図は日本における代表的な地域と主な活動地域の例だが、もちろん、これら以外にも多くのKRUMPERが活動しているが、日本のKRUMPの歴史や状況を把握し、全体で盛り上げていく必要がある。
上記は、本来の「FAM」の形とされるBIGのKRUMP NAMEを受け継いで活動している団体を「FAM」としてカテゴリー分けさせて頂いております。
「〇〇 Fam」と表記されていても、TEAM・CREWに分別されているのはその違いです。
HAND SIGN(ハンドサイン)
写真などを見ると、KRUMPER(クランパー)がよく取るポーズの一つとして、特定のハンドサインをして写っている姿などを多く見かけるだろうが、これは色々な意味を持っており、サインだけではなく、各々のメッセージや団体のロゴ 及び 誇示やアピールのようなものでもある。
これも、元々はギャングカルチャーから影響を受け、それが落とし込まれたものであり、自分の所属するFAMやCREWのハンドサインや、自分のキャラクターを誇示するための表現である。
近年では、キャラクター誇示に加え、いわばファッションの一種として写真を撮る際に使用されていることも多い。
例えば、全体的によく見かけるこのハンドサインはKRUMPの「K」を表したもので、よく見ると手や指の形が頭文字の「K」に見えるのが分かる通り、文字を象ったものである。
また、こちらもよく目にするポーズだと思うが、これは「SK(STREET KINGDOM)」を意味するもので、世界各国でSKのメンバーとして認められている者の象徴的なサイン 及び SKとして誇示であり、実際は、SKに所属していない他のCREWの者が安易に取るポーズではないのだ。
ちなみに、Twiggz Fam(ツイッグス ファム)のハンドサインは、造語の「2wiggz」を変形させたもので、「Ⅱ」と「W」を手や指の形で表している。
その他のFAMやCREWにもそれぞれのハンドサインが多く存在し、レペゼンやリスペクトの意味を込めて仲間同士でアピールし合う。
そして、写真だけではなく、挨拶やBATTLE(バトル)・SESSION(セッション)の際にも、仲間同士でハンドサインをし合い、「尊敬」や「同調」を示してコミュニケーションを取っている。
THIS IS KRUMP
これが世界の最新のKRUMPだ!
動画で見て頂ければ分かるように、今のKRUMPはだいぶクリエイトされ、表現の幅も広く、圧巻の動きに度肝を抜かれる程伝わるものがある。